ダイヤル回線とプッシュ回線 違いと見分け方
更新日:2 時間前
違いと見分け方
プッシュ回線とダイヤル回線の違いを、パルスの数とトーン信号(DTMF)の仕組みから図解。ピポパ音の正体、番号を押す自動音声との関係、手元の回線の見分け方と電話機の設定まで分かります。
この記事でわかること
ダイヤル回線とプッシュ回線は、番号を「どうやって」電話局に伝えているのか
ボタンを押したときの「ピポパ」という音の正体(DTMF)
自分の回線がどちらかの見分け方と、電話機の設定の考え方
プッシュ回線とダイヤル回線、何が違う?
固定電話で相手の番号をかけるとき、電話機は「何番にかけたいか」を電話局の交換機に伝えています。その伝え方の違いが、ダイヤル回線とプッシュ回線の違いです。
ダイヤル回線:電流を「切る・つなぐ」をくり返し、その回数で数字を伝える方式(ダイヤルパルス)
プッシュ回線:ボタンごとに決まった2つの音(周波数)を同時に鳴らして数字を伝える方式(プッシュボタン信号)
どちらも番号を伝えたあとの通話の中身は同じです。違うのは「番号の伝え方」と、それに合わせた電話局側の契約の種類です。
用語メモ
交換機:電話局にある、かけた人と相手の回線をつなぐ装置。電話機から届いた番号を読み取り、相手の回線を選んでつなぐ。
ダイヤル回線はどうやって番号を伝える?
昔の黒電話の回転ダイヤルを思い出してください。数字の穴に指を入れて回し、手を離すとダイヤルが戻ります。この戻るときに、電話機の中のスイッチが回線の電流を一定の回数だけ切ったりつないだりします。
「1」なら1回、「5」なら5回、「0」なら10回、電流が途切れる
交換機は、途切れた回数を数えて数字を読み取る
1秒あたりの途切れる回数には10回(10PPS)と20回(20PPS)の2種類がある
用語メモ
PPS:Pulses Per Second(1秒あたりのパルスの数)。FAXや電話機の設定画面で「ダイヤル10PPS/20PPS」と表示されることがある。
数字が大きいほど時間がかかるため、「0」の多い番号は、かけ終わるまでに時間がかかりました。
プッシュ回線の「ピポパ」の正体は?
プッシュ回線では、ボタンを押すと「ピ」「ポ」「パ」と音が鳴ります。これはDTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)という信号で、低い音のグループから1つ、高い音のグループから1つの、2つの周波数を重ねた音です。
1209Hz | 1336Hz | 1477Hz | |
697Hz | 1 | 2 | 3 |
770Hz | 4 | 5 | 6 |
852Hz | 7 | 8 | 9 |
941Hz | * | 0 | # |
たとえば「5」は770Hzと1336Hzの組み合わせです。ボタンの並び(縦3列・横4段)と、周波数の組み合わせがそのまま対応しています。2つの音を同時に使うのは、人の声や雑音と区別しやすくするためです。この方式は国際的にはITU-Tの勧告(Q.23)で定められ、日本では端末設備等規則で技術的な条件が決められています。

なぜプッシュ回線が主流になったのか?
プッシュ回線には、次のような利点があります。
番号を伝えるのが速い:どの数字も短い音1つで伝わる
通話中にも信号を送れる:つながった後でもボタンの音が相手側に届く
「*」と「#」が使える:数字以外の記号で、さまざまな操作ができる
特に2つ目が大切です。「ご用件の番号を押してください」という自動音声の案内(IVR)は、この通話中のプッシュ信号を読み取って動いています。銀行の残高照会や、宅配便の再配達の受付などが身近な例です。ダイヤル回線の電話機では、つながった後にボタンの音を送れないため、こうした案内を操作できないことがあります。
用語メモ
IVR:Interactive Voice Response(自動音声応答)。かけてきた人が押した番号に合わせて、案内を流したり、担当の窓口へつないだりする仕組み。
自分の回線はどちら? 見分け方
いちばん確実なのは、契約内容を確かめることです。請求書や契約書、通信会社の会員ページに回線の種類が書かれている場合があります。わからないときは、契約している通信会社へ問い合わせます。
目安として、受話器を上げて「ツー」という音が聞こえる状態で、電話機の設定を「プッシュ(PB・トーン)」にしてボタンを1つ押してみる方法もあります。
ポイント
「ツー」が止まる → プッシュ回線として番号を受け付けている
「ツー」が続く → ダイヤル回線の可能性がある
ただし、電話機によって設定の名前や動きが違うため、説明書もあわせて確認してください。なお、光回線の電話サービス(ひかり電話など)は、プッシュ方式で使うことが多いとされています。接続する機器の案内や契約先の説明で確かめてください。
電話機の設定で気をつけることは?
多くの電話機やFAXには、「回線種別」の設定があります。
表示の例 | 意味 |
|---|---|
PB/トーン/プッシュ | プッシュ回線用 |
DP10/10PPS | ダイヤル回線(1秒に10回)用 |
DP20/20PPS | ダイヤル回線(1秒に20回)用 |
契約している回線と電話機の設定が合っていないと、電話がかけられない、かかるまでに時間がかかるといったことが起きます。引っ越しや回線の切り替えで電話機をつなぎ直したときは、最初にこの設定を確認しましょう。

よくある質問
Q. ダイヤル回線でもボタン式の電話機は使えますか?
A. 使えます。ボタン式の電話機でも、設定をダイヤル(DP)にすれば、ボタンを押したときにパルスを出して番号を伝えます。
Q. ダイヤル回線のまま、自動音声の番号を押す操作はできますか?
A. 電話機によっては、通話中に一時的にトーン信号を出す切り替えボタン(「トーン」や「*」など)が付いているものがあります。説明書で確かめてください。
Q. 光回線の電話はダイヤル回線にできますか?
A. 光回線の電話サービスは、プッシュ方式で使うことが多いとされています。対応できるかは契約先や機器によって違うため、契約先の案内で確かめてください。
確認問題
答え合わせをしてみましょう
問1 プッシュ回線で、ボタンを押したときに鳴る信号を英字4文字で何と呼びますか。 答え:DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)
問2 ダイヤル回線で「0」をかけると、電流は何回途切れますか。 答え:10回
問3 「ご用件の番号を押してください」と案内する自動音声の仕組みを何と呼びますか。 答え:IVR(自動音声応答)
まとめ
ダイヤル回線は「電流が途切れる回数」、プッシュ回線は「2つの音の組み合わせ」で番号を伝える
「ピポパ」の音はDTMFという信号。低い音と高い音を1つずつ重ねている
自動音声の案内(IVR)は、通話中のプッシュ信号で操作する
ダイヤル回線の速さには10PPSと20PPSがある
回線の種類と電話機の設定を合わせることが大切
参考にした情報
ITU-T Recommendation Q.23「Technical features of push-button telephone sets」 https://www.itu.int/rec/T-REC-Q.23
e-Gov法令検索「端末設備等規則」 https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=360M50001000031
シャープ「FAXの回線種別の設定についてのお知らせ」 https://jp.sharp/business/print/information/info_biz-fax_2020-06-30.html
監修:株式会社日本マーケティング 編集部
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