top of page

ベストエフォートとは 「最大」の本当の意味

2022年4月4日
読了時間: 5分

更新日:2 時間前

「最大」の本当の意味

ベストエフォートとは何か、「最大1Gbps」はなぜ保証値ではないのかを、共有区間・局舎・プロバイダ・宅内Wi-Fiの4つの層で図解。ギャランティ型との違いと契約書面の読み方も分かります。

この記事でわかること

  • ベストエフォートとは何か、保証される速度との違い

  • 「最大1Gbps」と書いてあっても、実際はそこまで出ない理由

  • 契約書面や広告の「最大」の読み方と、遅いときの見る順番

ベストエフォートとは?

ベストエフォートとは、英語のbest effort(最善の努力)のことで、通信の世界では「できる限りの努力はするが、その速度は約束しない」という提供のしかたを指します。インターネット回線の多くはこの方式で、広告には「最大1Gbps」「最大10Gbps」のように書かれています。

この「最大」は、その方式の技術的な上限のことです。NTTの法人向けの案内でも、最大通信速度は技術規格上の最大の速度のことで、実際の速度は回線の混み具合などで変わる、と説明されています。つまり「最大1Gbps」は「1Gbpsが出る」という約束ではありません。

用語メモ

  • Gbps(ギガビーピーエス):1秒に送れるデータの量の単位。1Gbps=1,000Mbps。バイトで数えるときは1秒あたり約125MBが、理想の上限の目安。

ギャランティ型との違いは?

ベストエフォートの反対の言葉がギャランティ(guarantee=保証)型です。

項目

ベストエフォート型

ギャランティ型

速度

上限だけ示し、保証しない

契約時に一定の速度を保証する

回線の使い方

多くの利用者で設備を分け合う

自分の分を確保する

価格の傾向

比較的安い

高い

主な使い方

家庭・小さな会社のインターネット

通信が止まると困る会社の専用線など

価格が大きく違うのは、設備を分け合うかどうかが違うからです。分け合えば1人あたりの費用は下がりますが、みんなが同時に使うと速度は下がります。

なぜ「最大」まで出ないのか? 共有区間という考え方

光回線の多くは、PON(ピーオーエヌ)と呼ばれる方式で、1本の光ファイバーを途中で分けて、複数の家で共有しています。1本を何軒で分け合うか(分岐の数)は、設備や方式によって異なります。

用語メモ

  • 共有区間:複数の利用者が同じ設備を分け合って使っている区間。空いていれば速く、混めば遅くなる。

道路にたとえると、一般道のように「みんなで使う道」があり、制限速度は100km/hでも、渋滞すれば出せません。これが「最大」と実際の速度の差の基本です。

ベストエフォートとは:最大速度と実際の速度が変わる仕組みの図
ベストエフォートとは:最大速度と実際の速度が変わる仕組みの図

速度を決める4つの層

家の中のパソコンから、インターネット上のサイトまでの間には、いくつもの区間があります。一番細い所が、全体の速度を決めます。

宅内 Wi-Fiの電波の状態、LANケーブルの種類、ルーターやパソコンの性能。 / アクセス回線(共有区間) 電柱から局舎までの光ファイバー。他の家と分け合う。 / 局舎と事業者の設備 回線事業者の局舎の設備や、プロバイダ(インターネットへの接続業者)の設備。 / 相手側 見ているサイトやサーバーそのものの混雑。

どれか1つが細ければ、他が1Gbpsでも1Gbpsにはなりません。速度テストの数字は「この4つを通した結果」です。

理論値と実測値はなぜ違う?

「理論値」は、規格上の上限です。「実測値」は、実際に測った値です。差が出る理由を整理します。

  • 通信データには、宛先などを書いた付け足し(ヘッダ)が付くため、全部が中身になるわけではない

  • 無線(Wi-Fi)は、壁・距離・同じ電波を使う他の機器の影響を受ける

  • 共有区間や相手のサイトが混んでいる

  • 古い機器やケーブルが、一部の区間だけ遅い

同じ光回線でも、インターネットへのつなぎ方(接続方式)が違うと、混みやすさが変わることがあります。このように、同じ回線でも、つなぎ方で結果が変わるのがベストエフォートの特徴です。

速度を決める4つの層:宅内・共有区間・事業者設備・相手側
速度を決める4つの層:宅内・共有区間・事業者設備・相手側

契約書面や広告は、どう読めばよい?

広告や重要事項説明の「最大」は、次のように読むと誤解が減ります。

ポイント

  • 「最大」=その方式の上限。平均や保証ではない

  • 「ベストエフォート」と書いてあれば、速度は約束されていない

  • 小さな注記(※)に、「お客さまの環境により異なる」「宅内の機器により異なる」などと書かれていないか見る

  • 業務で速度の約束が必要なら、ギャランティ型の専用線が候補になる

特定の会社が良い・悪いという話ではなく、仕組みとして最大値と実測値は違うものと知っておくことが大切です。

遅いと感じたときの見る順番は?

闇雲に回線を変える前に、手元から順に切り分けます。

有線でつないで、同じ時間帯に測る LANケーブル / ルーターの再起動と、置き場所・ケーブルの確認 / 時間帯を変える 夜は混みやすい / 接続方式や事業者の案内を確認する PPPoEやIPoE

手元で改善しない場合に、はじめて回線やプロバイダの問題を疑います。

よくある質問

Q. 「最大1Gbps」の回線で、1Gbpsが出ないのは不良ですか?

A. 不良とは限りません。最大は上限であり、保証ではありません。ただし、極端に遅い場合は、宅内の機器や接続方式の見直し、事業者への相談で改善することがあります。

Q. ベストエフォートでない(保証される)回線はありますか?

A. あります。ギャランティ型の専用線などです。そのぶん料金は高くなります。

Q. Wi-Fiが遅いのも、ベストエフォートが原因ですか?

A. Wi-Fiは宅内の層の話です。回線とは別に、電波の状態や機器の性能で速度が変わります。有線でつないで測ると、切り分けができます。

確認問題

答え合わせをしてみましょう

  • 問1 「最大1Gbps」は、速度の保証値ですか。 答え:保証値ではない。技術規格上の上限。

  • 問2 ベストエフォートの反対の言葉は何ですか。 答え:ギャランティ(保証)型。

  • 問3 速度を決める4つの層を挙げてください。 答え:宅内、共有区間(アクセス回線)、事業者の設備(局舎・プロバイダ)、相手側。

まとめ

  1. ベストエフォートとは、できる限り努力するが速度は約束しない提供方式

  2. 「最大1Gbps」は技術規格上の上限であり、保証値ではない

  3. 光回線は、途中の区間を複数の家で共有している(例:32分岐の報道)

  4. 速度は宅内・共有区間・事業者設備・相手側の4つの層で決まる

  5. 速度の約束が必要な用途は、ギャランティ型を検討する

参考にした情報

NTTコミュニケーションズ「ベストエフォートとギャランティ」 https://www.ntt.com/business/services/network/internet-connect/ocn-business/bocn/knowledge/archive_16.html

監修:株式会社日本マーケティング 編集部

この記事に関連するサービス

システム・アプリ開発(ホームページ・業務の仕組みづくり)

ホームページ・業務の仕組みの相談は日本マーケティングへ。

会社のホームページ:株式会社日本マーケティング

関連するコラム

  • bpsとB/sの違い 通信速度の単位

  • ISDNの始まり INSネットが生まれた理由

  • Wi-Fiは無線LANの規格の1つ 「Wi-Fi」の正しい意味

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。

株式会社日本マーケティング  /  北海道札幌市中央区大通西14丁目3-25 7F  / TEL:011-200-9542   Copyright © 2019 NIHON-Marketing All Rights Reserved.

ABOUT US

A-1.png

Address

北海道札幌市中央区大通西

14丁目3-25 7F

Tel

011-200-9542 

Copyright © 2019 NIHON-Marketing All Rights Reserved.

bottom of page