電柱から家まで 光ケーブルが届くまでの道のり
更新日:2 時間前
光ケーブルが届くまでの道のり
光ケーブルが電柱から家に届くまでを、クロージャ・引込線・光コンセント・ONU・ルーターの順に図解。各部の役割、工事の流れ、HGWとの違い、光コンセントが既にある場合の考え方が分かります。
この記事でわかること
光ケーブルが電柱から家の中まで届く順番(電柱→クロージャ→引込線→光コンセント→ONU→ルーター)
それぞれの部品の役割と、誰が用意する物なのか
開通工事の流れと、「光コンセントがすでにある家」の考え方
光ケーブルは、電柱からどう家に届く?
街を歩くと、電柱に黒いケーブルが何本も張られています。そのうち、光回線に使われているのが光ファイバーのケーブルです。NTT東日本の案内によれば、一戸建ての場合は、電話線と同じように、電柱から住宅の外壁に光回線を引き込みます。
届くまでの流れを、先に全体で見ておきましょう。


電柱の上では何が起きている? 幹線とクロージャ
電柱の上を走る光ケーブルは、局舎(通信事業者の設備のある建物)から延びてきた太い幹線です。そのままでは1軒の家にしか届きませんが、途中に光クロージャという箱があります。
用語メモ
光クロージャ:光ケーブルの分岐する場所に設置し、中で光ファイバーをつなぐ箱。NTTの技術資料でも、「分岐個所に設置して、光ファイバの接続を行う機器」と説明されている。電柱に取り付けるタイプは、ケーブルに吊り下げる構造が一般的。
クロージャの中には、光の信号を分ける部品(スプリッタ)が入っている物もあります。1本の光ファイバーを複数の家で分け合うのは、このためです(この「分け合い」が通信速度に関わる話は、別の記事のベストエフォートで扱います)。そこから、各家に向かう細いケーブル(ドロップ光ファイバ、引込線)が分かれます。
つまり、電柱は「地域の幹線」、クロージャは「分岐点」、引込線は「各家への最後の枝」と考えると、道路の「幹線道路→交差点→家の前の道」とよく似ています。
引込線は、家にどう入る?
引込線は、電柱から家の外壁まで張られます。NTT東日本の案内では、次の順になっています。
ポイント
外壁まで:電柱から住宅の外壁に引き込む。ケーブルを固定するため、必要に応じて外壁に引止め金具などの器具を付ける。
外壁から屋内へ:通常は、既存の電話用の配管など共用できる配管を使う。使えない場合は、エアコンのダクトを使う、壁に穴を開けるなど、建物に合った方法で工事する。
建物の事情:構造などでNTT東日本の側での工事が難しい場合は、引込み口をお客さまが用意することもある。
引込線は電話線と同じ経路を使うことが多いので、電話線が入っている所のそばから光ケーブルが入ることが多い、と覚えておくと分かりやすくなります。
光コンセントとONUは、何をするもの?
4-1. 光コンセント
引き込んだ光ケーブルは、室内の壁の光コンセントにつながります。電気のコンセントと同じように、壁に付いている、光ファイバーの差し込み口です。
4-2. ONU(光回線終端装置)
光コンセントにつなぐ機械がONU(オーエヌユー)です。Optical Network Unitの略で、日本語では光回線終端装置と呼びます。
ONUの役割は、光ファイバーで届いた「光の信号」を、パソコンなどが扱う「デジタル信号」(電気の信号)に変えることです。光回線を使うために欠かせない機器で、通常は通信事業者から貸与されます。

ONU・ルーター・HGW・モデムは、どう違う?
名前が似ていて、混乱しやすい機器の違いを整理します(NTT東日本の解説をもとにしています)。
機器 | 主な役割 |
|---|---|
ONU | 光信号をデジタル信号に変換する |
ルーター | 複数の機器をインターネットにつなぎ、通信先を振り分ける。ONUの下につなぐ |
ホームゲートウェイ(HGW) | ONU、ルーター、IP電話などの機能を一体にした機器。ONUが別体の機種もある |
モデム | アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する。ADSLやケーブルテレビなどで使われる |
HGWは、ひかり電話の利用に役立つ機器です。

開通工事は、どんな流れ?
NTT東日本の案内では、戸建ての開通工事は大きく次の流れです。

派遣工事の所要時間は、およそ2時間程度とされています(建物の状況により異なります)。申し込みから開通までは、1か月程度かかるとされています。
光コンセントがすでにある家は?
壁に光コンセントがすでにあれば、引き込みの工事が不要な場合があると案内されています。その場合は、工事の担当者が来ず、お客さま自身がONUを接続して設定します。ただし、設備の状況によっては工事が必要と判断されることもあり、最終的な判断は申し込み後に事業者が行います。
マンションなどの集合住宅では、共用部まで引き込まれた光ケーブルを、各部屋へ分ける形になります。建物ごとに配線の方式が違うため、別の記事で扱います。
Wi-Fiは、どこから? 宅内の無線の話
ルーター(またはHGW)からは、パソコンやスマホへWi-Fiでつなぎます。
用語メモ
Wi-Fi:無線LANの規格(IEEE 802.11)に沿った機器につけられる、Wi-Fi Allianceの認証の名前。
2024年1月には、Wi-Fi Allianceが次の世代の規格(IEEE 802.11beに基づくWi-Fi 7)の機器の認証を始めました。光回線が速くても、ルーターやスマホが古い規格だと、宅内の無線の部分が細くなることがあります。電柱から家までの区間が整っていても、宅内の機器で全体が決まる、という点は忘れないようにしましょう。
よくある質問
Q. 引き込みの工事で、壁に穴を開けますか?
A. 通常は、既存の電話用の配管やエアコンのダクトを使います。使えない場合に、壁に穴を開けることがあります。建物の状況で異なるので、事前に確認します。
Q. ONUとルーターは別々に必要ですか?
A. 機能は別です。ただし、HGWのように1台にまとめた機器もあります。契約内容で、何が貸与されるかが決まります。
Q. 光コンセントの位置は、あとから変えられますか?
A. 位置を変えるには、再工事が必要になる場合があります。工事の前に、ONUとルーターを置く場所を決めておきましょう。
確認問題
答え合わせをしてみましょう
問1 ONUは、何の信号を何の信号に変えますか。 答え:光の信号を、パソコンなどが扱うデジタル信号に変える。
問2 電柱で光ケーブルをつなぎ、分ける箱を何と言いますか。 答え:光クロージャ。
問3 ONU、ルーター、IP電話などの機能を1台にまとめた機器は何ですか。 答え:ホームゲートウェイ(HGW)。
まとめ
光ケーブルは、電柱の幹線→クロージャ(分岐)→引込線→外壁→光コンセント→ONU→ルーターの順に届く
クロージャは、光ファイバーをつなぎ、分ける箱。引込線は各家への最後の枝
ONUは、光信号をデジタル信号に変える機器。通常は事業者から貸与される
HGWは、ONU・ルーター・IP電話などの機能を一体にした機器
光コンセントがすでにあれば、引き込みの工事が不要な場合がある
参考にした情報
NTT東日本「戸建ての導入工事と配線について」(フレッツ光 開通工事の流れ) https://flets.com/navigation/kouji/const_single_house.html
NTT東日本「ONU(光回線終端装置)とは?モデム・ルーター・ホームゲートウェイとの違いと開通までの流れ」 https://business.ntt-east.co.jp/column/service/flets-hikari/hikari_onu.html
NTT東日本「フレッツ光 開通工事の流れ(戸建て向け)」 https://flets.com/navigation/kouji/single_unit.html
NTT研究所 技術の歴史資料「光クロージャ」(架空クロージャ・スプリッタ内蔵型ほか) https://www.rd.ntt/as/history/pdf/media/me0302.pdf
Wi-Fi Alliance「Wi-Fi Alliance begins certifying devices that support the Wi-Fi 7 wireless standard」(2024年1月) https://www.wi-fi.org/media-content/wi-fi-alliance-begins-certifying-devices-that-support-the-wi-fi-7-wireless-standard
監修:株式会社日本マーケティング 編集部
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